論文「恋愛関係の進展に及ぼす告白の言語的方策の効果」
樋口匡貴・磯部真弓・戸塚唯氏・深田博己(2001)「恋愛関係の進展に及ぼす告白の言語的方策の効果」『広島大学心理学研究』Vol.1, 53-68.
13年前という心理学では結構古い論文ですが、心理学に興味がある人が好きそうなテーマの論文ですね。タイトルの通り、恋愛関係を進展させようとする人の告白方法における言語的方策の分類と印象や、性別、状況(両想いか、片想いかなど)との関係などを調査した論文です。以下のリンクからpdfとして論文をDLできます。
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/0001952
告白の方法は以下の三つに分類されました。
- 単純型:「好きです、付き合って下さい」のような単純なタイプ
- 懇願型:「一生のお願い、付き合ってください」「貴方がいないとダメ、付き合ってください」など相手の必要性を強調するなど、交際を懇願するタイプ
- 理屈型:「あなたと話すと幸せになる。付き合って下さい」など、相手といると自分がどんな感情になるか、相手の魅力を説明するなどのタイプ
そして、それぞれの告白方法のタイプがどのような印象を与えやすいかは以下の通りでした。
- 単純型:自分の好意が伝わりやすく、好感を得やすい
- 懇願型:自分を犠牲にして相手を優先させるなどの印象を与え、相手に負担になりやすい、強引と感じられやすい.
- 理屈型:甘い言葉は信用されにくく、強引と感じられやすい
関係の進展に最も効果的であったのは単純型で、「好感がもてる」ということが告白の成否には最も重要でした。また、両思いでなくても好きな人がいる方が告白を受け入れやすい傾向にありました。これらは男女問わず見られる傾向でした。ただ、女性よりも男性の方が、懇願型の告白に良いイメージを持ちやすい傾向がありました。